投資においては、資産の成長を目指すために様々な戦略が存在します。
その中でも、ドルコスト平均法は仮想通貨投資にも用いることのできる有名な手法の一つですが、必ずしも完璧ではありません。
本記事では、ドルコスト平均法の基本的な概念から、そのデメリットを含めた投資戦略について解説します。
投資初心者の方や、ドルコスト平均法を検討中の方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
ドルコスト平均法とは何か?
ドルコスト平均法は、定期的に一定の金額を投資する手法です。
具体的には、毎月や毎週など一定の期間ごとに一定額を投資することが特徴です。
この手法では、投資額は市場の値動きに関係なく一定となります。市場が上昇している場合には少ない単位で購入し、市場が下落している場合にはより多くの単位を購入することになります。
ドルコスト平均法は、特に長期的な資産形成を目指す場合に有効と言われています。資産の平均取得単価を下げ、リスクを分散する効果が期待できます。
仮想通貨投資でドルコスト平均法を用いるデメリット
仮想通貨投資においてドルコスト平均法を用いる際に、まずはどのようなデメリットが考えられるか見ていきましょう。
1.市場のタイミングを活用できない
ドルコスト平均法は、一定期間ごとに一定金額を投資する手法です。
この手法では、市場の変動や価格の変化に関わらず、定期的に投資を行います。
そのため、市場のタイミングを見極めて資産を効果的に運用することはできません。
特に相場が下落している場合には、ドルコスト平均法では買い増しを続けることになり、一時的な損失を被る可能性があります。
2.投資の手数料が多くかかる可能性がある
ドルコスト平均法では、定期的な投資が必要です。
しかし、仮想通貨投資における毎回の取引には大抵の場合、手数料がかかります。DEXでの取引においては加えてガス代が発生します。
特に小額の投資を短期間で繰り返す場合には、手数料の割合が大きくなる可能性があります。
これにより、投資利益を圧迫することになるため、手数料には注意が必要です。
3.長期的な投資計画の必要性
ドルコスト平均法は、継続的な定期投資を前提としています。
したがって、この手法を選択する場合は、長期的な投資計画を立てる必要があります。
中途半端に途中で投資をやめてしまうと、本来のメリットを享受することができません。相場の動きに惑わされたり、途中で面倒くさがって取引を中断してしまうことなく、計画を立てて継続することが重要です。
4.ポートフォリオの偏りのリスク
ドルコスト平均法では、定期的に一定額を投資するため、特定の銘柄に偏ったポートフォリオを形成するリスクがあります。
市場の全体的な動向やバランスを考慮せずに投資を行うことで、ポートフォリオのリスクを高める可能性があります。特に信頼性の低い仮想通貨銘柄に投資を行う際は注意が必要です。
ドルコスト平均法を用いた仮想通貨投資が向いている人とは
ドルコスト平均法は上記のようなデメリットがありますが、それでも安定的な資産形成を目指す投資家にとっては魅力的な手法です。
仮想通貨投資はボラティリティが激しく、激しい下落相場の際には、不安や恐怖からつい資産を売却してしまうことが多いものです。そのせいで下落チャートの底で売ってしまい、大きな損失になってしまったという声も少なくありません。
しかしドルコスト平均法では自分の感情に左右されず、機械的に投資を行うことができます。不安や恐怖、目先の利益などから大きな投資の失敗をしてしまうリスクを少なくすることができます。
そのため、長期的に投資をしたいにも関わらず、下落相場や上昇相場に左右されてすぐに資産を売却してしまう人にとってはドルコスト平均法が向いている場合があります。
また、投資する仮想通貨銘柄が長期的に上昇していくと考えて投資したい場合には、ドルコスト平均法を用いて長期的な資産形成を目指すのは有効な戦略と言えるでしょう。
ドルコスト平均法を適切に活用するポイント
仮想通貨投資において、ドルコスト平均法を活用する際のポイントを5つ解説します。
1.投資目標の設定と期間の明確化
ドルコスト平均法を活用する前に、具体的な投資目標を設定しましょう。
将来のための貯蓄、教育資金の準備、退職資金の積み立てなど、目的に合わせた目標を明確にするのも良いでしょう。
また、投資期間も明確化し、長期的な視点での資産形成を意識しましょう。
2.定期的かつ一定額の投資を継続する
ドルコスト平均法では、定期的に一定額を投資することが重要です。
毎月や毎週など一定の期間ごとに投資を行う習慣を身につけましょう。
投資額は自身の経済状況や目標に合わせて調整することができますが、コンスタントに投資を続けることが重要です。
3.ポートフォリオのバランスを考慮する
ドルコスト平均法を実践する際には、ポートフォリオのバランスを考慮しましょう。
単一の銘柄に偏らず、複数の資産や市場に分散させることでリスクを適切に管理できます。
仮想通貨に投資する際もビットコインなど主要銘柄の比率を高くしたり、さらにその他の株式、債券、不動産など異なる資産への投資も検討し、ポートフォリオの多様化を図りましょう。
4.投資タイミングの検討と情報収集
ドルコスト平均法では市場のタイミングを気にせずに投資を行いますが、投資タイミングの検討は重要です。
定期的な投資を続けつつも、市場の状況や重要な情報を注視しましょう。
特に大きな市場変動や重要なニュースがある場合には、投資タイミングを再評価する必要があります。情報収集を積極的に行い、投資タイミングの適切な判断を下しましょう。
5.自己評価と戦略の見直し
定期的な自己評価と戦略の見直しも重要です。
投資のパフォーマンスを定期的にチェックし、目標に対して適切な進捗があるかどうかを確認しましょう。
また、自身の経済状況やライフスタイルの変化に応じて戦略を調整することも重要です。
まとめ
ドルコスト平均法は、定期的な投資を行うことで、市場変動に影響されにくい投資戦略とされています。
しかし、必ずしも完璧な手法ではなく、デメリットも存在します。
市場のタイミングを活用できない、投資の手数料が増える可能性がある、長期的な投資計画の必要性、資産の配分が偏る可能性などの点には注意が必要です。
投資家自身が目的や状況に合わせた投資戦略を考え、最適な選択をすることが重要です。投資にはリスクが伴いますので、自身の状況や目標に合わせて適切な戦略を選択し、着実な資産形成を目指しましょう。