インターネットコンピュータ(ICP)とは、ブロックチェーン技術と統合することで、分散型のインターネットの構築を目指すプロジェクトです。従来の中央集権型のサーバーモデルに代わり、世界中のデータセンターの使用およびブロックチェーンの概念を活用して、分散型の実行環境を提供します。
本記事ではインターネットコンピュータについて、その特徴だけでなく、将来性および購入方法を解説します。
インターネットコンピュータ(ICP)はDfinityによる一大プロジェクト
(引用元:
https://medium.com/dfinity/the-internet-computers-token-economics-an-overview-29e238bd1d83)
インターネットコンピュータ(ICP)を手掛けているのは、The DFINITY Foundation(Dfinity財団)です。
Dfinityは、今後あらゆるシステムとサービスがスマートコントラクトを使用して再構築および再考されると考えており、従来のITを必要とせずに無限のパブリックブロックチェーンから実行される「ブロックチェーンの特異点」を作成することを目指しています。
インターネットコンピュータ(ICP)を簡単に言えば、Web3における新たなインフラの基盤になることを目指している一大プロジェクトともいえるでしょう。現在のインターネット界におけるAmazonのAWSやGoogle Cloudなどのイメージともいわれています。
インターネットコンピュータ(ICP)の特徴
(引用元:https://internetcomputer.org/)
インターネットコンピュータの特徴には以下のようなものが挙げられます。以下のような特徴により、インタ
ーネットコンピュータはよりオープンで安全な環境を提供し、新たなビジネスモデルや分散型アプリケーションの開発を可能にします。
1.分散型の実行環境
インターネットコンピュータは分散型コンピューティングを実現するため、中央集権型のサーバーに依存する必要がありません。
代わりに、ネットワーク上の複数のノードが処理やデータの保存を共有し、分散的に実行します。これにより、よりオープンで透明性のある環境が実現されると言われています。
2.ブロックチェーン技術との統合
インターネットコンピュータはブロックチェーン技術を活用しています。これにより、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムを実行し、信頼性やセキュリティを確保します。
ブロックチェーンの特徴である分散化、透明性、改ざん困難性がインターネットコンピュータにも適用されることになります。
3.オープンで拡張可能なプラットフォーム
インターネットコンピュータはオープンソース化されており、開発者が自由にアプリケーションを作成・展開できるプラットフォームです。これにより、イノベーションや新たなビジネスモデルの創造が促進されることが予想されます。
また、既存のアプリケーションやサービスをインターネットコンピュータ上に移行することも可能になるということで、非常に拡張性の高いものです。
4.高いスケーラビリティとパフォーマンス
インターネットコンピュータは、分散ノードのネットワークによって処理負荷を分散するため、スケーラビリティが高く、大規模なアプリケーションでも高パフォーマンスを実現します。
また、クラウドプラットフォームと異なり、過剰なリソースの使用を回避することができます。
5.セキュリティとプライバシーの強化
インターネットコンピュータでは、データがブロックチェーン上に分散保存されるため、改ざんが困難になります。ユーザーは自分のデータを完全にコントロールでき、プライバシーの保護も向上します。
また、分散型のアーキテクチャにより、シングルポイントの攻撃やデータ漏洩のリスクが低減されます。
インターネットコンピュータ(ICP)の将来性
インターネットコンピュータの特徴や潜在的な利点から、将来性について考えてみましょう。
まずはブロックチェーン技術との相乗効果から考えてみます。
インターネットコンピュータはブロックチェーン技術と統合しており、ブロックチェーンの特性である分散性、透明性、セキュリティを活かしています。
ブロックチェーン技術自体の発展と普及とともに、インターネットコンピュータの応用範囲も広がることが予想されます。
例えば、スマートコントラクトのさらなる進化や、Web3の発達に従って新たな技術革新が生まれる可能性があります。様々なブロックチェーンプロジェクトとの相互作用で、インターネットコンピュータの活用範囲も増えるかもしれません。
また、セキュリティとプライバシーの重要性からも考えてみます。
近年のデータ漏洩や個人情報の悪用などの問題から、Web3においてもセキュリティとプライバシーの保護がますます重要となっています。
インターネットコンピュータは、分散化された実行環境とブロックチェーンの特性により、セキュリティとプライバシーの向上を図ることができます。
このため、個人や企業はインターネットコンピュータを活用することで、データの保護やプライバシーの確保に取り組むことができるでしょう。
今後インターネット全体が進化し、スマートコントラクトがますます普及すればインターネットコンピュータの将来性は明るいと考えることができるかもしれません。しかし、新たな技術の普及には時間がかかることもありますので、インターネットコンピュータの将来性については慎重に考えることが必要になるでしょう。
ICPトークンの購入方法
インターネットコンピュータのプロジェクトはICPトークンを発行しており、ガバナンスやユーザーへの報酬、手数料の支払いなどに利用されます。
ICPトークンは時価総額も上位50に入り、知名度の高い仮想通貨です。取引可能な取引所も多く存在しています。
例えば700種類以上の仮想通貨を扱うCoinExにおいても、ICPトークンは取引可能です。USDTやBTC建てでトレードすることができますので、日本の取引所からBTCなどの仮想通貨を送り、ICPトークンへとトレードすることが可能です。
インターネットコンピュータは非常に興味深いプロジェクトですが、ICPトークンの価格については仮想通貨全体の市況にも左右されますので、慎重に判断した上で投資を行うことが肝心です。
まとめ
インターネットコンピュータはブロックチェーン技術との統合により、よりオープンで分散型のインターネットを実現しようとしています。セキュリティ、プライバシー、分散型アプリケーションの可能性など、さまざまな利点が期待される技術です。
スマートコントラクトを活用したWeb3のさらなる発展に向けて、インターネットコンピュータが礎を築くことになるかもしれません。今後のインターネットの進化を見据える上で、ぜひ動向を追っておきたいプロジェクトです。